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中小企業のリース会計税制

「中小企業の会計に関する指針」または「中小企業の会計に関する基本要領」

中小企業(金融商品取引法の適用対象会社または会社法上の会計監査人設置会社を除く会社)は、会計基準を適用しないで、「中小企業の会計に関する指針」(中小会計指針)または「中小企業の会計に関する基本要領」(中小会計要領)を適用することができます。  
中小会計要領は、中小会計指針と比べて簡便な会計処理をすることが適当と考えられる中小企業を対象に、その実態に即した会計処理のあり方を取りまとめるべきとの意見を踏まえ、2012年2月に策定されたもので、安定的に継続利用可能なものとする観点から、国際会計基準の影響を受けないものとするとしています。

リースの会計処理に関しても、以下のとおり、中小会計指針では、国際会計基準の影響を受けたリース会計基準に基づき、売買処理を原則的な取扱いとしているのに対し、中小会計要領では、むしろ賃貸借処理を原則的な取扱いとしています。すなわち、中小企業のリース会計は、リース資産及びリース負債を貸借対照表に計上しないで、支払リース料を費用として処理することになります。

<中小会計指針におけるリースの会計処理>

所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る借手は、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行う。ただし、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うことができる。

<中小会計要領におけるリースの会計処理>

リース取引に係る借手は、賃貸借取引または売買取引に係る方法に準じて会計処理を行う。

中小会計要領が策定されたことに伴い、リースの賃貸借処理は、中小企業にとって「一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行」として位置付けられることになります。  
なお、金額的に重要性がある場合、借手は、未経過リース料を注記します。これは、中小会計指針において賃貸借処理を選択した場合も同様です。  
また、中小会計要領では、リースの種類が示されていませんが、対象となるリースは、リース会計基準で定める「所有権移転外ファイナンス・リース」(税法では「所有権移転外リース」)が、これに該当するものと考えられます。

賃貸借処理した場合の税務上の取り扱い

中小企業が、リースについて賃貸借処理した場合、税務上は売買があったものとして取り扱われ、賃借人がリース料として損金経理をした金額は、償却費として損金経理をした金額に含まれるものとされます。ただし、「償却費として損金経理をした金額に含まれるものとされる金額」は、確定申告書における明細書の記載から除外されています。  
したがって、支払リース料の額が、毎月定額で、「リース期間定額法」」(以下の計算による金額を各事業年度の償却限度額として償却する方法)により計算される償却限度額と同額となるような契約においては、賃借人が、会計上、賃貸借処理したとしても、税務上、特段の申告調整は不要となり、確定申告書における明細書の記載も不要になることから、実質的には、賃貸借取引としての取り扱いと異なるところはありません。

【リース期間定額法】

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※ 税務上、リース資産の取得価額は、原則として「リース料総額」となります。